鋼の5倍硬くて1/5ほど軽いセルロースナノファイバーに興味が沸いた。この素材は、木材や竹などの植物繊維を特殊な処理をして解きほぐすことで得られる。現在、各メーカーが競い合ってこの素材を実用化レベルに持っていこうと研究している。色々調べてみると、どの会社も自動車や航空機等のボディに実用化しようと各社研究を行っているみたい。セルロースナノファイバーは親水性で水分を多く含んだ状態にあるため、疎水性である樹脂に均一に分散させることが非常に難しいらしい。
各社の動き
第一工業製薬株式会社
TEMPO酸化法により製造されるCNFを量産化し、製品名「レオクリスタ」として販売。
王子ホールディングス(株)
2018年の3月にセルロースナノファイバーとポリカーボネート樹脂の複合材の開発に成功。弾性率が従来のポリカーボネート樹脂の約4倍、線熱膨張係数を1/3まで低減することが可能になったためガラスに代わる製品を作りだせるようになる。
日本製紙(株)
2015年10月にセルロースナノファイバーを使って、「肌ケア アクティ」と呼ばれるオムツを開発し、商品化。
4月に石巻工場(宮城県石巻市)にTEMPO触媒酸化によるCNF(TEMPO酸化CNF)、9月に江津工場(島根県江津市)にカルボキシメチル化によるCNF(CM化CNF)の量産設備を稼働させた。さらに、7月には、富士工場(静岡県富士市)において、自動車や家電などの用途を想定したCNF強化樹脂の実証生産設備を設置した。
星光PMC(株)
2018年の8月にセルロースナノファイバー複合材料「STARCEL」が総合スポーツ用品メーカーである株式会社アシックスのランニングシューズ製品「DYNAFLYTE (ダイナフライト)3」のミッドソール部材の原材料の一部として採用。
2014年10月にCNF複合材料を製造するためのパイロットプラントを竜ヶ崎工場(茨城県龍ケ崎市)に建設。2017年末にはCNF複合材料の商業生産・製品出荷を可能とするため、生産能力増強工事を実施し、変性セルロースで約70トン/年、CNF複合材料換算で約200トン/年出荷できる体制を整えた。